市民参加による環境自治体づくりを! LAS-Eモデル発表会を開催


環境自治体会議環境政策研究所/多比良康彦 (2008.11)



 LAS-E(環境自治体スタンダード)によるEMSを運用する12自治体のうち、最大規模を誇る東京都八王子市で、8月29日、「市民参加で進める環境マネジメント〜LAS-Eモデル発表会〜」が開催されました。

 

LAS-E に取り組む意義、八王子市での導入経緯と効果

 まず、議論に先立ち、環境政策研究所所長・中口より、基調講演としてEMSの必要性やLAS-Eの規格の概要、目指すものについての解説の後、八王子市環境政策課・水越氏よりモデル発表として八王子の導入の経過や取り組み内容が紹介されました。
 環境自治体のあるべき姿と最低限必要な取り組みを提示し、実践を促すべく、LAS-Eは開発されました。その最大の特徴は、目標の設定や取り組みのチェック(監査)に市民が加わる点にあります。八王子市でも、市民参加を全面に打ち出した規格である点、そして将来的に市役所内のエコオフィス活動に終わらずに市民との協働による地域全体の環境保全を視野に入れるという点を重視し、様々な手法がある中でLAS-Eの導入を選択しました。
 八王子市は職員数が約3千人、監査対象は出先を含め270セクションと大規模です。事務局にとって、監査の日程調整は苦労されたようです。
 しかし、市民が各職場に立ち入り、直接職員へ質問するのは画期的でした。主立った効果として、@職員の環境配慮への意識が飛躍的に高まった。A初年度の取り組みにより可燃ごみ25%削減、電気使用量は6%削減を達成。B様々な職場で独自の取り組みが始まっていること等が紹介されました。


 

市民・職員・事務局それぞれの受け取り方は

  最後に、LAS-Eの草分け的存在であり唯一第2ステージに取り組まれている八幡市・西脇氏、実際に監査に参加した市民の方、監査を行った職員、事務局担当課長による、市民監査や今後の方向性についてパネルディスカッションを行いました。
 全てを紹介することはできませんが、LAS-Eの最大の特長であり、導入にあたり多くの自治体が懸念されるであろう、市民による職場の取り組み状況監査に関して各人のコメントを紹介します。
 市民監査員の方は、監査に参加し真摯に取り組む市職員の姿に直接触れることにより、行政への信頼感を感じるとともに、自身の行動を見直すきっかけにもなったとのことでした。一方、職員監査員にとっても、市民と一緒に各職場を回ることで自分たちの取り組みを改めて第三者的に省みることができ、また、監査を受ける側の職場の反応も最初は戸惑いはあったものの、実際やってみると「悪くない」という反応だったとのことでした。また、この取り組みを通じて、おのずと業務そのものを見直すとともに市民の協力が得られやすい土壌づくりにもなると感じたようです。
 また、実施前は最も心労の大きかったであろう事務局の方からも、様々な懸念はあったものの、実際に市民監査を実施してみると、非常に熱心に業務をみて、市の取り組みの良いところを見つけてくれる市民監査員の姿勢と、それに応えて様々な独自の取り組みを展開する職場の「やる気」を見て、導入のメリットを実感したとの発言がありました。
 今後は、環境配慮の取り組みをいかに市民に広げていくかが課題ですが、専門家だけ、あるいは身内だけの監査では、市の取り組みは市民に伝わりにくいでしょう。市民が監査に加わることで、市の取り組みが市民に広まっていく可能性を秘めています。ぜひ皆さまの自治体でも導入してはいかがでしょうか。

(以上)