広がる!LAS−E(環境自治体スタンダード)

多比良康彦/環境自治体会議環境政策研究所(2006.7)






 現在、LAS-Eに基づく環境マネジメントシステムを運用している自治体は7自治体であり、そのうち、愛媛県内子町と兵庫県伊丹市の2自治体は今年度に入ってから新たに運用を開始したほか、以前からLAS-Eの第1ステージに取り組んでいた京都府八幡市では4月より第2ステージの取組を開始し、運用自治体の数も取組の質も着実に広がりを見せている。
 今回は、LAS-Eの最近の状況として、上記の3自治体の事例を紹介する。
 

<第2ステージにステップアップ〜京都府八幡市>

 八幡市では全国で2番目にLAS-Eを導入し、3年間第1ステージに取り組んできたが、これまでの取組を継続しつつ取組内容をレベルアップし、この4月より第2ステージの取組を開始した。LAS-Eには、エコアクション、エコマネジメント、エコガバナンスの3つの部門があり、各部門で3段階のレベル(ステージ)が想定されている。3部門全てにおいて第2ステージに挑戦しするのは八幡市が全国で初めての事例となる。
 第1・第2ステージの主な内容は下表の通りだが、第2ステージのエコアクション部門では、地域全体の環境政策や公共事業における環境配慮、さらに公共施設の利用者にも環境配慮が求められる。八幡市では環境基本計画で掲げた数値の記載がある戦略目標を、全て独自目標(LAS-Eで設定が必須の数値目標)と位置づけている。これは環境基本計画の目標管理ツールとしてLAS-Eを使うということに他ならない。エコマネジメント部門では、総合的・体系的な行政運営という観点から、目標達成状況の把握・評価、環境政策(計画に掲げる市の取組全て)の市長による評価・見直しが掲げられ、エコガバナンス部門では、市民との双方向コミュニケーションという視点から、苦情・要望のとりまとめや環境白書(年次報告書)による政策の進捗状況の公表、市民との協働事業の種類数等を目標として掲げている。


 

<内子町・伊丹市が取組を開始>

 内子町ではこの6月にLAS-E(3部門の第1ステージ)の運用を開始した。合併前の旧・内子町でのエコオフィスプランの取組をベースに、マネジメントシステム構築により今まで以上に着実に取組を推進するとともに、新生内子町全体で住民を巻き込んだ取組へのステップアップを図っている。
 また、昨年よりLAS-E導入について検討を進めてきた伊丹市でも、8月1日より3部門の第1ステージの運用をスタートさせた(導入の流れは下図参照)。
 伊丹市は、これまでのLAS−E運用自治体の中では最も規模が大きい。対象サイトは154、対象職員数は庁内だけで約650名、交通局、病院、学校園などの外部組織も含めると2,300名を超える。
 伊丹市ではかねてからISO14001も視野に入れて、EMSの導入を検討していたが、自治体運営における環境評価ができること、目標の設定や監査などシステムの運営に市民の参画を義務付けているため市政の透明性の向上が図れること、また、他の環境マネジメントシステムより事務や経費の削減を図れることなどから、LAS−Eを採用した。
 伊丹市では、今年の8月に運用を開始したが、運用開始までに、規定の整備、庁内や学校園との協議、各組合協議などを実施するとともに、市広報誌・新聞・職員広報などで本取り組みの広報も行ってきた。また、目標設定を担う市民委員がミニFMラジオ局に出演し、LAS−Eの取り組みや意義について説明し、市民外部監査員の募集呼びかけなども行った。
 現在は、12月のLAS−E判定委員会への申請を目指し、10月の内部監査、11月の外部監査に向けて準備をしているところである。