連載〜環境自治体スタンダード(LAS-E)の取組み〜
 八幡市、LAS-E第1ステージ3部門の独自目標の取組に合格判定!

●八幡市における独自目標

 LAS-Eは類型区分ごとに自治体が取り組むべき項目(実施項目)が明示されている点が特徴ですが、実施項目の一つに必須項目として該当する類型区分の内容に関連する取組自治体独自の目標を設定することが定められています。
 この目標を独自目標と呼んでおり、原則的に数値目標とすること、目標を設定するメンバーに地域住民(または事業者)を含むことが必須であることもLAS-Eの特徴の一つです。八幡市では表1のように、エコアクション部門で八幡市環境基本計画(H13年策定)に準じた目標を5つ(D1〜D5)、エコマネジメント部門とエコガバナンス部門で1つずつ(D6、D7)の7つの目標が設定されました。
 LAS-Eでは、どの自治体でも共通して取り組む実施項目の取組状況に加え、取組自治体で独自に設定する独自目標の達成状況により、挑戦する類型区分の合否が判定されます。
 八幡市では、H15年4月に取組を開始し、独自目標が年度単位の目標であるため、その部分を除く実施項目の監査を同年7月に実施、これに対する限定的な合格判定を9月に得ていました。H16年5月、前年度の取組結果が明らかになったことに伴い、市民・職員・専門家等を含む監査員らにより独自目標の監査を実施、第1ステージ3部門の判定を申請しました。

●7項目中6項目達成!市民と協力したチェック体制が奏効!

 目標達成に向け、事務局では特に職員の意識改革を重要視し、実行責任者の理解を得るための資料作りの工夫、庁内の雰囲気や提出物の提出状況等に応じた啓発手段の使い分け、市民監査員の協力を得た内部監査の実施、その他、市内全ての施設の入口や庁舎内に環境マネジメントシステム対象施設であることを示すステッカーを貼付し、実際に監査を行う市民の内部監査員だけでなく、市民の方々すべてが監査員であることを職員に意識付けするなど様々な工夫を試みてきました。中でも内部監査への市民監査員参加が、監査時はもちろん日頃の取組においても緊張感を保つうえで、事務局の実感として、相当の効果があったと言います。
 このような取組の結果、H15年度の独自目標についての取組結果は、表1にあるように、7項目中6項目が達成でした。しかし、本庁の電気使用量(D2)については、全職員へのPC配置、地域イントラの開始、コンピューターの大型冷却装置の設置、そして、予定外の衆議院議員選挙による影響等により、5.4%の削減と惜しくも目標値のH11年比6%削減に至りませんでした。しかし、全対象施設から排出される温室効果ガスは、目標3.7%削減(D1)に対し、6.4%と大きく削減でき、基準年度からの施設の増減を除いた実質的な削減率をみた場合でも5.7%削減と、省エネルギーに対する全ての職員の理解と努力の結果が表れたほか、D2を除く他の項目でも目標を大幅に上回る取組結果となりました。
 判定委員会では、意識や行動の維持または促進に向けて、目標項目の内容や成果をより適切かつわかりやすくするようにといった指摘があったものの、取組結果が評価され第1ステージ全部門において合格と判定されました。

●今後の展開〜維持運用しながら着実に次のステップへ〜

 八幡市では取組の定着を図り、今年度も3部門の第1ステージを維持運用する方針です。判定後、6月に市民を交えた目標設定会議を開催しており、目標の見直しを行った後、7月後半の機構改革後、新たな目標で再スタートを切る予定です。
 しかし、同じ類型区分の維持運用とはいえ、単に前年度と同じ内容に取り組むということではなく、今後のステップアップを見据え、いくつかの工夫や仕掛けが見られます。
 例えば、目標の再設定。昨年の目標がベースですが、監査や判定での指摘をふまえ従来からある目標でも内容や定義をより明確化します。曖昧な点をなくすとともに、例えば環境情報の公開を年20回以上としていたのを、同じ内容の公開は1回とカウントし、今年度は12種類以上の情報を公開するなど、一見わずかな違いですが昨年度よりも厳しい目標を設定する予定です。

●市民の意見を反映し、目標を追加!

 また、2年目であるため、目標設定に参加した市民からも、目標のレベルアップや問題点の改善に関する意見が出されました。
 しかし、特に議論の中心となったのは、「紙・廃棄物・エネルギーの削減などエコオフィス的な取組は大事ではあるが、取り組んで当たり前の基本的な目標を立てるのではなく、本来業務に沿った目標の方が市民にとって利益がある」といった意見でした。飯田会議第3分科会でも議論がありましたが、取組がいわゆる「紙・ごみ・電気」に留まってしまう組織も多い中、市民の意識の高さ、行政に対する期待が伺われます。
 これに対し八幡市では、各職場で業務内容が異なることから、職場ごとに業務に沿った目標を設定し、公表するといった目標を追加する方向で検討が進められています。

●中学生による内部監査

 また、8月には環境教育の意味も含め、市内の中学生らによる内部監査を実施します。通常の内部監査と同様に環境マネージャー1人につき生徒1〜2名でグループを作り、各課や施設、他校の監査を行うというもので、参加した生徒自身への環境学習効果の他、各中学校間の情報の共有、生徒が家庭へ持ち帰ることによる地域住民への啓発効果などが期待されます。
 福岡県大木町が、NPO法人地域循環研究所や地元のNPOと協力して実施した「省エネ授業」で、町内の小学生が省エネについて学習後、役場の取組をチェックした例や、長崎県田平町省エネビジョン策定時に小学生が商店街と役場の取組をチェックした例などがありますが、地域の小中学生が行政の内部をつぶさに見て回る機会はあまりなく、非常にユニークな試みと言えます。
 なお、中学生による内部監査は、8月26日(木)午前9〜12時(事前研修)、27日9〜17時(監査)の2日間にわたって実施予定(オブザーバー参加可能)。詳しくは八幡市環境保全課にお問い合わせください。