ISO14001自己適合宣言への挑戦 〜長野県飯田市

1 ISO14001認証から自己適合宣言へ

 「環境文化都市」をめざす飯田市役所は、2000年1月にISO14001を認証取得した。98年7月の取組宣言以来、自前で準備、99年9月運用開始し、審査機関の審査を受けたものである。

 ISO14001規格には、システムの規格への適合を実証する方法として@「外部組織による審査登録」とA「規格との適合を自己決定し自己宣言する」ことが「適用範囲」に規定されている。

 03年1月の登録有効期限(3年間)を前に、飯田市役所は、システムを引き続き運用していくが外部の審査機関による更新審査を受けず審査登録を継続しないことを決定した。これは自己適合宣言への体制づくりや仕組みづくり、組織内での1年間の検討を経て、市長が最終判断した。

2 自己適合宣言への体制・仕組みづくり

 審査機関による定期審査を受審する一方、内部監査のレベルアップを図ってきた。01年度の内部監査から「地域ぐるみ環境ISO研究会」(地元28事業所うち認証取得済み21事業所) ISO担当者の参加を得た。02年度から、「長野県環境ISO自治体ネットワーク」による相互内部監査も始まり、民間の視点に加え他の自治体からのチェックも増え、他の組織のシステムから直接学ぶこととなった。

 運用当初の省エネ・省資源と環境プランに配慮した施策から、公共工事の計画・設計における環境配慮にまで運用システムも拡大した。システム改善に伴う9回の文書改正を徹底するため、課内研修や集合研修等教育訓練も充実させてきた。レベルアップをめざし担当のISO推進係2人の職員は、審査員補の資格も去年8月取得した。

3 独自の環境マネジメントシステムの運用

 2000年6月から支所や保育園、学校など市役所全ての出先機関・施設で独自のISO14001の簡易システム「いいむす21(IEMS21:I(い)E(い)M(む)S(す)21:Iida Environmental Management System 21」を開始。徹底したISO14001の本庁舎と取り組みのない出先の温度差を段階的に解消し、全職員で「環境文化都市」をめざす。それぞれの出先による自己採点・自己評価、本庁職員による現地での内部監査を経て、2000年度9施設、01年度28施設を「市長認定」するという実験を進めている。

 「南信州いいむす21(EMS21:E(いい)M(む)S(す)21」は、「地域ぐるみ環境ISO研究会」が構築し、「南信州広域連合」(1市3町14村)と連携し、01年10月スタート。地域の大半を占める中小・個人事業所が行う取組宣言以来の3か月の環境改善活動実績を研究会が支援し現地審査、結果を広域連合で判定し登録証を発行する。地域の小規模の事業所にとって負担となる審査機関による高い費用のISO14001審査でなく、地域独自の認証で、小さな環境改善の取り組みを多く生み出していこうとするもの。研究会が持つ環境ISOのノウハウを支援という形で地域に還元し、地域に貢献し、同時に支援を通じて自分たちのシステムを改善するきっかけとするものである。

4 「むとす」〜まちづくりの原点〜

 「りんご並木と人形劇のまち」飯田市のまちづくりの原点に「むとす(=んとす、広辞苑の最末尾の語)」「自分たちのまちは自分たちでつくろう」という考え方がある。「いいむす」は、「いいだ・むとす」でもある。

 「ISO14001自己適合宣言」「地域ぐるみ環境ISO研究会」「いいむす21」「南信州いいむす21」、その根底には、「むとす」の精神がある。「むとす」を原点とし、「環境文化都市」実現というまちの活性化の挑戦は始まったばかり。

飯田市役所 http://www.city.iida.nagano.jp/

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