自治体の廃棄物会計をつくろう! ――拡大生産者責任の具体化に向けて

◆拡大生産者責任の具体化が議論に

 「循環型社会の構築」――環境をめぐるあらゆるシーンで使い尽くされてきたこの言葉の具現化に向けて、国レベルでの議論が今年、一つの山場を迎えつつある。

 昨年9月、小泉・構造改革の道筋を示す「改革工程表」には不良債権処理や行政改革とともに、循環型経済社会実現に向けてのプログラムがタイムスケジュール付きで示された。プログラムに基づき関連省庁内部ではすでに「廃棄物の定義」、「一廃・産廃の区分見直し」、そして「拡大生産者責任の具体化」について詳細な検討が行われているが、その内容次第で市町村の廃棄物政策の骨格も大幅に変化する。

◆自治体は事業者にいくら請求できるか?

 一般廃棄物のリサイクルはこれまで、その費用の大部分である収集・運搬・保管費用を自治体の税金に依存してきた。拡大生産者責任の具体化検討は、上記費用への事業者負担義務付けを意味するが、収集・運搬を担う自治体からは具体的な数字があがっていない。中身・容器製造メーカーや自治体などが構成する環境省の容器包装リサイクル検討会では、すでに業界団体から「費用負担が重いというならば、一体いくらかかっているのか自治体は数字で示してくれ」との要望が自治体に対し突きつけられてきた。

 自治体の立場から、収集・保管費用負担の重さについて一早く問題提起を行ってきた全国都市清掃会議では、自治体の実務担当者を中心としたワーキンググループをつくり、自治体が事業者に請求できる適正な処理コストの算定にとりかかっている。そこで課題となっているのが、自治体ごとに異なる費用単価を標準化する作業だ。自治体ごとの単価に基づきそれぞれの処理コストを算定することはできても、回収システムや効率の異なる自治体間の価格差があまりにも大きくては、事業者に対する適正な請求額は提示できない。しかし収集委託費や車輌費、中間処理費などは、地域特性や自治体の規模によりその差が大きく、これらを普遍化するにはさまざまな角度からの検証が不可欠だ。

◆自治体の廃棄物会計をつくろう!

 資源物の分別・収集費用を事業者に請求するならば、自治体は当然、それにかかったコストを提示すべき義務を負う。そこでまずは自治体ごとに、廃棄物会計を作成することを提案したい。回収システムや処理単価とともに、ガラスびんやペットボトルなど個別品目ごとのリサイクルコストを明らかにしていくことで、どの容器にどれだけの税金が使われているかを見えやすくするのが目的の一つだ。また、それを互いに公開し合うことで自治体間の比較検証も進み、適正な費用負担のあり方を議論する際の材料も得られよう。リサイクルのパートナーである市民に対しても、自治体はそうした情報を知らせていく義務がある。

 リサイクルにかかるコスト算定式が統一されていないため、リサイクルにかかる総コストのうち実際どれだけのリサイクル費用を自治体が負担しているのかは、おおまかにしか把握されていない。個別品目ごとの費用に至っては、集計している市町村自体まだ少数というのが現状だ。拡大生産者責任を具体化するためにも、まずは個々の自治体がリサイクル費用を明らかにし、社会に示していくことが重要だ。

 容リ法改正の市民提案を行う「容器包装リサイクル法の改正を求めるごみ懇談会」(事務局:市民立法機構 TEL:03-3234-3844)では、自治体の協力を得つつ廃棄物会計ワークシートを作成、今春にも全国の市町村議員に呼びかけ、ワークシートへの記入とそれによるリサイクルコストの算出をもとに、容リ法見直しに向けての全国一斉行動を呼びかけていく。こうした動きとも連携しつつ、容リ法の改正と拡大生産者責任の早期具体化をめざし、自治体の立場から現状を動かしていきましょう。

問合せ先:jimukyoku@colgei.org