各地からのEMS実践事例報告

●「環境文化都市」からの情報発信

〜「南信州いいむす21」の展開〜

 10万7千人の山都、飯田市は、人も自然も美しく、輝くまち「環境文化都市」をめざしています。産業・都市・人づくりを柱に、中心市街地総合再生等、個性ある都市づくりを進めるものです。市の総合的な施策を整理し、また、事務局の一員でもある民間主導の「地域ぐるみ環境ISO研究会」の活動も様々な機会にPRしています。そして幾つかの賞へも先ずは応募、果敢にも挑戦し続けています。

 ISOという共通言語、環境、元気な地域をという共通テーマは、規模や業種の違いを超えた交流を可能にし、環境自治体会議でも立場の異なるプロとの交流から大きな刺激とやる気を戴いています。地域そして活動の中にいると気づかない自分たちの多くの素晴らしさを外から教えてもらうことがあります。また、地元企業トップや仲間の環境に対する熱い思いから自分の地域を再発見しています。大好きなこの地域だから、自分も含め住む人が自信を持ってもっと好きになりたい。賞への挑戦は、この地域の今後のまちづくり、飯田らしさへの戦略的な仕掛け、情報発信です。それは、地方で悩み地域の特性を生かし取り組む自分たちを素直に検証するものです。

 10月からこの地域独自の環境改善システム「南信州いいむす21」が研究会と広域連合の連携で始まり、多くの企業が準備を進めています。10月からのプラ資源回収、9月の市内150余の説明会場はどこも満員の延べ1万7千人。「環境文化都市」実現に向け、市民と企業と行政が少しずつしかし確実に動き始め、責任と喜びの大きさを楽しんでいます。

(小林敏昭/飯田市環境保全課)

●地域の環境マネジメントの情報を交換〜行政担当者のための国際シンポジウム in 仙台

 11月11日から12日、宮城県仙台市で「行政担当者のための国際シンポジウム」が開催されました(主催は仙台市とICLEI(国際環境自治体協議会))。海外から33都市、日本から21都市の環境行政担当者が集い、地域の環境改善に関する情報交換が活発に行なわれました。誌面が限られるので、そのなかから主要な3点を紹介します。

 この会議の話題提供の目玉のひとつはICLEIヨーロッパ事務局のプロジェクト「エコバジェット」の紹介です。エコ=環境、バジェット=予算の造語で、貨幣ベースの環境会計とは異なり、環境負荷のマテリアルフローが中心の概念で、しかも各施策・事業の環境のインプットアウトプットの管理実績を予算配分に連動させるしくみです。報告から「環境指標管理による地域ベースのライフサイクル・アセスメント(LCA)」とイメージしました。導入経験のあるハイデルベルグ市では、最初に環境関連予算で試行し、現在、全自治体の予算に拡大中とのことです。

 第二に、環境マネジメントシステム(EMS)を「評価」のツールに高める点が共有されました。とくにオフィス系以外の環境負荷低減や環境保全の評価のツールとしての可能性を探ることが重要と共有されました。海外の参加者は信頼性向上のために第三者検証が必要という点を強調していました。

 第三に地域の環境管理には自治体こそ重要なセクターと確認され、自治体がすべき行動として、モデルづくり、持続可能性のビジョンの具体的なイメージの共有、政治家や議員の自覚、何をローカルアジェンダと呼ぶかについての議論など、多くのアイデアが共有されました。

(角田季美枝/環境自治体会議事務局)

問合せ先:jimukyoku@colgei.org