CO2排出量推計F A Q

〜 自治体からの「よくある質問」と答え〜

環境自治体会議環境政策研究所


環境自治体会議環境政策研究所では、これまで数度にわたってCO2 など温室効果ガスの市区町村別排出量推計を行ない、『環境自治体白書』やウェブサイトで公表してきました。このデータは環境省の『地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン第3 版』(2007 年3 月)で紹介され、自治体による計画策定の際に活用できると記されました。
 これに関して、昨年12 月にある自治体(非会員)から質問があり、研究所として回答しました。その内容は、他の自治体等においても、今後の計画策定や排出量推計を検討される際の参考になると思います。そこで今回のやり取りを元に、FAQ(Frequently-asked question、よくある 質問)としてまとめました。

 FAQ で言及している資料は次の3 つです(括弧内はFAQ 中の略記)。
1) 環境省『地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン第3 版』(環境省ガイドライン)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/suishin_ g/
2) 環境政策研究所ウェブサイト中の温室効果ガス排出量推計データ等(研究所ウェブ)
http://www.colgei.org/CO2/
3) 環境自治体白書2007(白書07)

Q1 環境省ガイドラインでは、CO2 やその他の温室効果ガスの排出量推計にあたって研究所ウェブのデータを利用できるとあります(33 〜 34 頁)。一方、白書07 の出版案内目次を見たところ、1990・2000・2003 年の市区町村別CO2 排出量推計データが掲載と
ありました。両者の内容は同じものですか?

A1 別のものです。両者の推計対象年度と推計対象分野は下記のとおりです。

【推計対象年度】
研究所ウェブ : 2000、2003
白書07 : 1990、2000、2003
【推計対象分野】
研究所ウェブ : CO2(家庭、業務、交通、製造業、
農業、廃棄物)、メタン、一酸化二窒素、フロン類
白書07 : CO2(家庭、業務、交通、製造業)

Q2 白書07 以外の『環境自治体白書』で、地域推進計画の策定に利用可能なデータが掲載されている
号はありますか?

A2 温室効果ガスの排出量推計ではありませんが、環境自治体白書2008 年版において、全市区町村別の「CO2 削減ポテンシャル」を算定し掲載しました。削減対策効果の評価にあたって参考になるものと考えます。

Q3 白書07 には、推計されたデータの算出根拠が掲載されていますか?

A3 簡単には掲載されていますが、詳細については研究所ウェブにある報告書の第1 部(PDF)でご覧になれます。PDF のアドレスは下記のとおりです。
http://www.colgei.org/CO2/honpen1.pdf

Q4 計画策定のために、1990、2000、2003 年以外の年度を対象に、当自治体の排出量推計をしたいと考えています。白書07 以外に必要なデータや書籍などはありますか?

A4 A3 で述べたPDF をご覧いただければ分かりますが、推計には多種多様な統計データを利用しています。一般に公開されているもの(経済産業省の工業統計、農林水産省の農林水産関係市町村データなど)もあれば、所定の手続きを踏まないと入手や利用ができないもの(総務省の家計調査の個票データ、国土交通省の道路交通センサス自動車起終点調査結果など)もあります。前者については、出版物として公刊されているものもあれば、出版物はなく省庁のウェブサイトからダウンロードするものもあります。
 なお、過去の推計作業の時点では利用可能だったにもかかわらず、現在は利用できなくなったデータもあります。例えば石油等消費構造統計という統計が廃止されたため、製造業の推計については新たな方法を考案する必要が出ています。また私たちの推計では用いていませんが、電力会社による自治体別・契約形態別の電力販売量を用いた推計事例が他所でいくつか存在しました(この方が需要側だけでなく供給側の実態を取り入れているので精度が高い)。しかしこのデータも電力自由化の影響で公表されないケースが増えています。


Q5 白書07 の数値をもとに計画を策定した場合、毎年の温室効果ガスの削減量の比較はできるのでしょうか?

A5 市区町村レベルの計画では、白書07 の数値だけでの削減量の比較は難しいと考えます。というのは、推計の基本となる方法が、都道府県単位の推計値を地域特性に応じて市町村に按分したり、東北・関東など地方ブロック単位の増減率に合わせて外挿するといったものだからです(推計対象分野によって若干違いはありますが)。したがって、市区町村でさまざまな対策をとって削減したとしても、それが推計結果には直接反映しません。
 削減量を出すには、推計データとは別に、各種対策ごとの削減量(例えば太陽光発電の実績)を推計して差し引くなどの作業が必要となります。